A GMO被害の続報――社会全体で身につけたい防犯の知識
前号で取り上げたGMOインターネットのサービスへの不正アクセスについて、被害を訴える利用者の証言が報じられました。記事には、FX口座で短時間に意図しない取引が繰り返され、約314万円を失ったとする証言や、攻撃者を名乗る人物から届いたメールが掲載されています。GMO側は、掲載されたメールを受け取った利用者の存在を把握していると説明しています。ただし、メールに書かれた攻撃者側の主張が、そのまま確認済みの事実になるわけではありません。
前号では基盤を支える仕組みを考えましたが、今回は利用者の不安が迫ってきます。自分の情報がどこまで出回ったのか。次に何が起きるのか。サービスが復旧しても、すぐ安心できるとは限りません。
犯罪の実行者を捜し、責任を問うのは当然です。そのうえで、防犯の議論まで「誰の落ち度だったのか」を探すことに終始してほしくはありません。被害を受けた人や企業を責めるだけでは、次の被害を防ぐために共有すべき情報も出しにくくなると思います。
自分が使うサービスに、何を保存し、何を任せているのか。障害や不正アクセスが起きたとき、どの情報源を確認し、どこへ相談すればよいのか。利用者が学ぶこともあれば、事業者が分かりやすく伝えるべきこともあります。詳しい人だけが注意して済む段階ではなく、社会全体でセキュリティへの理解を深める必要があるのでしょう。
もちろん、利用者の知識で防げることには限界があります。前号で考えた共通基盤の保守や情報共有、小さな組織への支援も引き続き必要です。今回を、一時の恐怖や非難で終わらせず、それぞれの立場で備えを見直すきっかけにしたいと思いました。
B 八戸線のSuicaと本八戸駅のエレベーター――使いやすい交通へ
八戸市がJR東日本に、八戸線への交通系ICカード「Suica」の導入と、本八戸駅のエレベーター設置などを要望しました。報道によると、JR側はSuicaの八戸線全線への導入を検討する姿勢を示し、エレベーターについても、市などが策定するバリアフリー基本構想を受けて一緒に検討すると答えています。時期や具体的な整備が決まったという段階ではありませんが、今後につながる話です。
ICカードとエレベーターは別の設備ですが、どちらも交通を使うときの負担に関係します。切符の買い方に迷わず乗れること。車いすやベビーカー、大きな荷物を伴っても移動できること。日頃使っている人には小さく見える不便が、別の人には利用をためらう理由にもなります。
バリアフリー基本構想に関わる話としても気になります。駅の設備が整った先に、道路や目的地まで移動しやすくなるか。そのつながりも見ていきたいところです。便利になりそうだという期待を持ちながら、具体化する内容と時期を追っていこうと思います。
C 地域活動を、参加する人に合わせて変えていく
地域運営の工夫を紹介する記事に、役割を複数人で分けること、活動をスリムにしてデジタルも活用すること、家族で楽しめる機会をつくることの三つが挙げられていました。特別に目新しい提案ではありません。それでも、地域の活動に関わる身には、なるほどと実感できる内容です。
どれか一つを選ぶより、参加する人が参加しやすい仕組みに、柔軟に変わっていくことが大切なのだと思います。毎回は来られなくても、得意な作業なら手伝える人もいるでしょう。続けてきた行事でも、準備の負担が大きければ回数や内容を変えてよいはずです。活動を守ろうとして、担う人が先に疲れてしまっては続きません。
AIも、こうした変化を支える道具になりそうです。案内文の下書き、会議メモの整理、引継ぎ資料づくりなど、手間のかかる作業を助けてもらう使い方が考えられます。ただ、便利な道具を使いこなせる人に仕事が集中してしまえば、負担の偏りは残ります。誰が何をするか、何を減らすかも一緒に考えたいです。
参加を求めるとき、「今の形に合わせて来てもらう」だけでなく、「来てもらえる形へ変える」こともできる。すぐに役立ちそうだと感じたのは、この発想でした。
D 保育料無償化の広がりと、続けていく仕組み
青森県が子育て費用の無償化事業の実施状況を公表し、0~2歳児の保育料の完全無償化が37市町村、副食費は31市町村に広がったと報じられました。一方、一部無償化の自治体もあり、支援の範囲には違いがあります。
子育て世帯の負担が軽くなるのは良いことです。そのうえで、住む地域や子育てした時期による違い、今後も続けられる財源なども気になります。制度を始めた成果と、その先の継続を合わせて見ていきたいと思います。
E アイマスと八戸――巡った先で交流もできたら
「アイドルマスター シンデレラガールズ」と連携した八戸のデジタルスタンプラリー第2弾が開かれています。市内18カ所を巡り、グッズ販売やパネル展示も楽しめる企画です。趣味の話ですが、人が動き、地域のお店や場所を知るきっかけとしても気になります。
せっかくなら、軽い交流イベントもあれば楽しそうです。例えば、即売会とトークショーを組み合わせるなど、巡る途中に少し集まれる時間があってもよいのでは。これは私の思いつきですが、ファン同士や地域との接点が増えると、八戸を訪れる楽しみも広がりそうです。
F 防災協定を、災害時に使える備えへ
八戸市と八戸高専が災害時応援協定を結びました。避難者の受け入れや物資の集積・配送拠点としての施設提供、防災研究や情報提供などを盛り込んでいます。
地域と教育機関が協力する、心強い取り組みです。次に見たいのは、実際に機能するための準備でしょう。発災時に誰が連絡し、どこを開け、受け入れる側の安全をどう確保するのか。訓練などを通して、協定が使える備えへ育っていく過程を継続して見ていきたいです。
公開された記事をもとにした個人の感想です。所属する組織の見解を示すものではありません。
